【これから家を建てる人へ】土地選びについて5
これから家を建てる人へシリーズ5回目です。
前回は土地の安全性 2.自然災害についての話をしました。今回は引き続き立地における安全性について、3.防犯です。
防犯は、自然ではなく人により発生する被害を防ぐ事になります。主に空き巣対策ですね。
建物の仕様で防犯することも大事なのですが、今回は土地を選ぶ際のポイントについて話します。
1番大事なのは人の目
空き巣は人気のないところで起こりやすい事は想像できると思います。人の目につくところで堂々と犯罪が起きたらすぐに通報されてしまいますからね笑
空き巣は3つの条件が重なることで発生するそうです。
空き巣が発生するメカニズム
犯罪発生のメカニズムを説明したものに、「日常活動理論(※注)」という理論があります。これは、「ある時間/空間において、①動機づけられた犯行者、②適当な標的、③有能な監視者の欠如という3要素が重なり合うときに犯罪が発生する」という考えで、①~③は「犯罪発生の3要素」と呼ばれます。犯罪はこの3つの条件がそろったときに発生する、まるで「化学反応」のようなものだとして捉えるこの理論は、様々な犯罪の発生要因の分析と予防に活用されています。例えば、日常生活に身近な「化学反応」である「燃焼」にも「燃焼の3要素」と呼ばれる「熱源」「可燃物」「酸素」の3つの要素があり、ひとつでも欠けると燃焼は起こりません。「防火」、「消火」といった行為は、この3要素を揃わせない、または揃ってしまったもののいずれかを除去しようという行為であるといえます。
これと同様に、特定の時間と空間内において犯罪が発生することを防ぐために、いかにしてこの「犯罪発生の3要素」が揃わないようにするかを考え実践することが「防犯」であるといえます。
(※注) 「日常活動理論」:1970年代後半、アメリカの犯罪学者マーカス・フェルソンとローレンス・コーエンによって主張された理論の一つ。「Routine Activity Theory」を和訳したもの。
(ALSOK HPより)
ALSOKのHPでは、詳しく防犯対策が解説されていて非常に参考になります。
人の目がある事によって大きな犯罪の抑止力になります。
交通量の多い道路に面する土地を選べば人が歩いていたり、車や、自転車など人の目があり、必然的に抑止力は働きます。
ただこれには裏面もあって、人の目があるという事は自分の家も見られるという事になります。視界が開けていると、通行人から家の中が見られてしまう可能性も大きくなり、トレードオフの関係になります。
ここのバランスについては最適解があるわけではないで、各々の価値観で判断をするべき部分ではあります。夫婦や家族の価値観ですり合わせましょう。
(蛇足ですが、あるセミナーでは、眺望や採光をもとめて南面に大きな窓をつけたのに人の目があるからいつもカーテンを閉めているという話を聞きましたので、よく考えましょう笑)
建物の死角
もう一つ私が気にしたポイントは、周りの土地や建物の建ち方で死角があるかという事です。
犯罪は人の目が無いところで起きやすいわけなので、建物の陰になって外部から見えづらい空間があると、そこは犯罪のしやすい空間になります。建てる家の形はプランができてこないとわからないので、想像するしかないですが想定しておく事は必要です。
もし希望する土地が住宅密集地など隣家の間隔が狭い場合には、その空間も死角になる場合もあります。例えば、窓ガラスを割って侵入されるとした場合、建物と建物の間で隠れてしまえば見つかりにくく、ガラスを割る音も聞こえづらくなるのかもしれません。「有能な監視者の欠如」が起きやすくなります。
ちなみに我が家の土地は田舎なので、隣家との間は庭があったり、ある程度空間が空いていたりするのでこの点は問題無かったです!
まとめると防犯(空き巣)としては
- 周りに人の目がある土地を選ぶ
- ただし、自宅の中も見られる(トレードオフ)
- 死角ができないように
となります。
土地の安全性について、複数回にわたって説明しました。後からどうにもできない事が多いので、視点を広くもって様々な角度から土地を考えましょう。
想定していなかった事が後悔につながる事が多いので慎重になりたいですね。
次回は、土地選びにおける日当たりや眺望について書きたいと思います。